原発事故被災動物と環境研究会

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震災と原発事故から12年の節目によせて


 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震とそれに引き続いて発生した原発事故から12年が経過しました。今年は仏教における13回忌という年忌法要にもあたるため、多くのメディアが取り上げています。3月5日の朝日新聞には、本研究会会員である池田牧場のことが紹介されていました。朝日新聞デジタルには、さらに詳しい記事が載っています。
 12年前、旧警戒区域の中で飼育されていた家畜は全て殺処分という政府の方針に対して、食用という本来の目的ではなく無駄に殺すことに納得できない農家の人たちが多数いらっしゃいました。また一方、過去のチョルノービリ原発事故の時にも大型家畜の放射線影響研究は行われなかったため、生き延びた家畜を調査して放射線影響研究を行いたいと考えた研究者らが複数の大学におりました。この両者が協力して発足したのが、「原発事故被災動物と環境研究会」です。
 病気をせずに生き延びた牛の寿命は約20年と言われていますので、被ばく牛たちの多くは高齢となっておりますが、牛たちはのびのびと自由に暮らし、また飼い主によって丁寧に飼育されています。平行して、獣医師による定期的な健康調査が行われており、また、病死や事故死の場合には病理解剖検査が実施され、他に例のない重要な研究データを提供してくれています。
 こうした研究に必要な経費は研究者による自らの研究費で賄うことができていますが、牛が生きていくための飼育費が別途必要です。牛たちの飼育費は農家が負担していているため、昨年にはご寄付を募るためにReadyforで募金を実施しました。基本的に私たちの研究会活動は篤志家によるご寄付によって支えられています。被災農家と研究者が引き続き活動を続けられますよう、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
 今年、5月20日(土)午後に、東北新幹線福島駅前のコラッセ福島においてシンポジウム「福島県浜通りの畜産復興に向けて ~黒毛和種牛放牧肥育の提案~」を実施いたします。是非ご参加下さい。

一般社団法人 原発被災動物と環境研究会
代表理事 伊藤伸彦
 

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